熱帯は植物の世界
2009年 03月 22日
人間がその持てる知恵と技術の粋を尽くしても、自然の前には余りにも無力です。身近なところで、遺跡を覆う植物がいい例です。ピジョン公園にイギリスやフランスが、かつてこの島を奪い合った時に様々な施設を建築しました。その構造のほぼ総てが石造りですが、今ではすっかり風化したり、植物に覆われ、当時の建物の面影もしのべないほどに崩れ去っています。
今日の写真の壁は遺跡の一部ですが、壁にツタが這い、そのツタの幹から建物のあらゆる部分に根を張り、成長し、そして破壊していきます。その時間をかけての植物の攻撃に対し、建物を守る我々人間はなす術がありません。これが植生の少ない砂漠やもっと北の地であれば、破壊速度に多少ブレーキがかかるのでしょうが、この植物の楽園である熱帯の島ではひとたまりもありません。
中米の熱帯にあるにマヤ文明の偉大な遺跡群は、風雨や激しい地震に耐えてきたのですが、植物には抵抗のしようが無く、ゆっくりですが確実に破壊されつつあります。熱帯の植物の前では、人間の構造物などひとたまりもありません。破壊される遺跡を見ると、熱帯は植物の世界なのだとつくづく思います。
カメラはSony α100に、レンズはMinolta AF35-105です。