オールドレンズの旅 レンズ本来の性能 ( Zoom-Nikkor 35-105mm f/3.5~4.5s )
2017年 09月 10日
そうこうするうちにカメラはデジタルン時代に移り、多くのレンズは昔の遺物になりつつありました。しかしそこで登場したのがフルサイズミラーレス機で、そのカメラは昔のレンズを完璧に復活させるに十分な魅力と機能を備えていました。
なんといってもレンズアダプターさえ用意すれば、これまで発売されたどのレンズでも使うことができ、更にそれだけに留まらず、手振れ補正機構でピンボケの大きな原因となる手振れを抑え、正確なピントを補助する部分拡大機能を備えているのです。
これらは古い望遠レンズでも、当時は考えられなかった手振れ補正機構付きで写すことができ、視力の衰えた人でも正確無比なピント合わせを可能にしたのです。このカメラ、私にとっては何とも素晴らしい夢のようなマシンです。
今日の写真に使ったレンズはMF時代のズームニッコールですが、このレンズに限らず当時のレンズの多くに言えるのは、その写りの良さに驚かされるということです。
なぜそんなに驚くかというと、レンズが本来持っている素晴らしいピントと先鋭な解像力などの高性能を、現代のカメラが余すところなく引き出しているからだと思います。
フルサイズミラーレスカメラの登場によって、ほとんど手振れのない、そして極めてピントが正確な画像を得られるようになった今、我々はレンズ本来の性能をはっきりと知ることができるようになりました。
時々カメラ雑誌のレンズ評価で、カメラの高画素化が進むにつれ、高画素モデルにふさわしいレンズという文書を目にしますが、それは逆で、レンズの能力を更に引き出せるカメラが登場したというべきではないかと思います。
古いレンズであっても5千万、6千万程度の画素数についていけないレンズなどほとんどないと、古いレンズを使い始めて思っています。言い換えればカメラがやっとレンズ本来の性能を引き出せる段階になったというべきでしょう。
今日の写真、ズームでありながら画像の先鋭感、発色、ボケ具合など素晴らしく、臨場感や立体感も感じられます。
下の小さな写真は、橋の下流から上流を見た場面と、山の斜面に咲いていた美しい山百合です。
使用機材のカメラはSony α7Ⅱに、レンズはZoom-Nikkor 35-105mm f/3.5~4.5s MACRO。大きな写真の撮影データは、焦点距離約50mm、35ミリ版換算50mm、ISO 320、F5.6、1/320sでした。また、大きな写真はクリックして更に大きく見ることが出来ます。